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春くんのいる家

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朝晩、めっきりと涼しくなってきましたね。
赤とんぼもいっぱい。もう秋がそこまで、でも日中はとても暑いですね、

メリーゴーランド新聞で知った岩瀬成子さんの新刊。
帯には、こんなふうに書いてあります。

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両親が離婚したあと、母とふたり、祖父母の家でくらす日向、
そこに祖父母の養子になってくわわった「いとこ」の春…
「祖父母、母、春、日向」を、春は「家族みたいなもの」といい、
日向は、なんだか「ややこしい」と感じている。
そんなある日…
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今までの家族のかたちが変化して、その渦中を乗り切ろうとする女の子、
日向ちゃんの心情がびしびし伝わってきます。
この家族がどんなところに落ち着くのか気になって、思わず先に先に読み進めてしまいました。
画期は、黒猫の空が現れたこと、そしてそれに伴うお母さんの一言。
お母さんの決心の言葉が、日向ちゃんの心に染み入るのが分かります。
そこから家族がまた違う方向へと変わっていきます。
気まずさを味わっているのは、おとなも子どもも同じ。
そういうなかで、どんな言葉を発せられるのかなあと思います。
日向ちゃんのお母さんは、とてもかっこいい。

岩瀬成子さんの作品は、家族のなかにあるいろいろな出来事や葛藤、変化のときを
いつも絶妙のバランスで表現されています。
『ぼくが弟にしたこと』もいろんなことを考えさせられる本です。
こちらもお薦め。

今日、紹介の児童書は、
岩瀬成子『春くんのいる家』2017年、文渓堂

by chisanatobira | 2017-08-28 08:14 | 多様な家族・里親

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