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みんながおしえてくれました

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週末里親さん対象の研修、無事終わりました。ほっ。
うまく話せたかは分かりませんが、お話した後に
「長い時間軸で里子さんに寄り添っていくことが大切って分かった」
と伝えてくださった方がおられ、ほっとしました。
人生は、長い。子ども時代だけではないので、その応答はうれしかったです。

今日ご紹介する絵本は、
潤さんのブッククラブ http://chisanatobira.exblog.jp/237609264/
で教えていただいた本です。
読んだ瞬間、「これは社会的養護を伝える本だ!」と
授業など社会的養護についてお話するときには必ず紹介しています。

お話はこんな感じ。
主人公の女の子が、いろんな動物や虫たちにいろいろなことを教えてもらいます。
そのことが順々に伝えられていきます。

例えば、
「きもちのいい おさんぽの やりかたは にわとりに おしえてもらいました」
「つちのうえの できごとや つちのなかの ひみつは ありが おしえてくれました」

私のお気に入りはいくつかありますが、
これもそう。

「わるものを やっつける たたかいかたは
 ゴリラに おしえてもらいました」

かっこいい~。

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そして、最後のところが、五味さんの子どもに対する信頼が
存分に感じられます。

「それに そもそも わたしは うまれつき かんがえるひとだし
 いろいろ おぼえるひとでも あるし…」

「ほかに いろいろ こまかいことは
 このひとたちが おしえてくださいますし、」

「なにしろ ともだちがたくさん おりますから
 どうみても りっぱなひとに なるわけです。」


子どもは、親子関係だけで大きくなるわけじゃない。
そして、人とみならず、動物や草花や、虫たちや、いろんな人に出会って
教えてもらって大きくなる。
そして、それを受け取る子ども自体がもともともっている力は計り知れなく、
人間関係で育っていく…。

そんなことをいっぱい伝えてくれている絵本だと思います。

お話するときは、
私が好きな児童養護施設で心理療法をされている内海新祐さんの言葉とともに、
紹介します。

「『児童養護施設における子育て』において必要なことは、『家庭的養育』形態の実現やその中での関係形成を基本的には目指しながらも、しかしそれを至上命題とするのではなく、子どもの状況に即した環境を適宜選び、中核となる養育関係を幾重にも囲む手厚いサポート体制を並行して築くことである。」
(内海新祐『児童養護施設の心理臨床 「虐待」のその後を生きる』日本評論社、2013)

里親であれ、施設であれ、
子どもが育っていくビジョンのイメージは、内海さんの定義と重なります。
そして、施設だけじゃなく、どのおうちでもきっとそうで、
自分の子どもを育てる時にも、このビジョンは重要。

親だけでしない。
親に対する期待が過度に高い社会だからこそ、
それを緩やかに手放させてくれる絵本だと思うのです。

by chisanatobira | 2017-09-18 11:10 | 社会的養護

子どもと家族の小さな図書館「ちいさなとびら」をしています。絵本『子どもの権利と新型コロナ』の最新情報は、ツイッター @kodomonokenri_c、Facebookページ「子どもの権利と新型コロナ」をご参照ください。


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