おはようございます。今日も、素晴らしい秋晴れです。
FBから見に来てくださる方もおられることでしょう。どうぞよろしくお願いいたします。
今日紹介するのは、『おおきなのはら』(ジョン・ラングスタッフ文、フョードル・ロジャンコスキー絵、さくまゆみこ訳、光村教育図書、2000年)です。
おおきな野原で生きる動物たちの親子が描かれる作品です。
そのやりとりが、例えばこんな感じ。
おおきな のはらを ゆうひが そめる。
ふくろうの おかあさんと、ひなが 8わ。
「まばたき してごらん」、とおかあさん。
「まばたき するから みててね」と、8わの ひな。
まばたきしたら、ゆうひが ちらちら いいきもち。
親が「~ごらん」と子どもに語りかけ、
子どもはそれをしようとします。そのとき「~するからみててね」と親に言います。
そのことをする子どもと、それを見ている親。
その共有の時間のなかで、その一瞬の心地よさが表現されています。
それを親子は共有します。
出版社による絵本の紹介は、こちら。
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大きな野原のあちこちで交わされる、かわいい動物の親子の会話が、リズミカルな数え歌になりました。あたたかな色づかいと細やかなタッチが、自然のやさしさや、親子のあふれる愛情を伝えます。
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私は、ずいぶんと違う読み方をしたんですよね。
いろんな読み方ができるのが絵本のいいところです。
読み手によって、異なる物語が立ち現れる。
私は、養育、子育てを描いた絵本だなあと思いました。
親が話す→子どもは「みててね」と言う。→
親はその要求に応答する。→心地よさが生まれる
その繰り返し。
その繰り返しは、時に、たまらないほど単調であるけれども、
その時間を共有し、応答し続けることが大切であると思うのです。
それが、子どものニーズを聴き取ることなんだと思います。
なかなか「みててね」に応答するのって難しいと思っています。
「え?!今?」みたいな時もいっぱいあります。
私たちが「いつでもおいで~」みたいなときにニーズを出すわけじゃないところが難しいですね。
虐待の説明をするときに、この絵本を活用したりします。
虐待は、子どものニーズではなく、親のニーズが先にあるから。
最後のページは、これまで並列に並んできた親子たちが
生きるためにたたかう様子が描かれます。
生きるために食べる・食べられる関係にある動物たち。
その世界もさらっと伝えています。
色彩豊かな、美しい作品です。