
新聞の記事で、この本を知りました。
この週末、一気に読みました。
すごい作品だなあと思います。
そして、作者であるルカさんの言葉が美しくて、
それが、この本を読み続けることを支えてくれたように思います。
一人の女性、ルカさんが、生れ落ちた家族のなかで
その家族が抱える重い重い困難を全身で引き受けながら、生き延びる物語です。
考え続けることをやめない、ルカさん。
生き延びることは、やがて、自分自身で生きることを引き受けていく姿勢にもつながっていきます。
その、引き受け方は、鮮やかです。
ルカさんの言葉から、彼女の育った家族がどう見えているのか、
支援者ができることは何か、考えさせられます。
ルカさんは、生き延びた。
それは、同時に生き延びられなかった人のことも考えさせられます。
その紙一重の差はなんでしょうか。
裏表紙をめくると、彼女が支えられた言葉が載せられています。
なんで生きなければならないのか、
どうして生まれてしまったのか。
答えは出ないこの問いに、ルカさんはルカさんが手足を使って
必死で生きてきたなかで出てきた言葉で応答してくれています。
「虐待は連鎖する」なんていう、
陳腐な物語ではない物語がここにはあります。
あとがきには
「本棚のずっと奥のほうから、そっとあなたを応援しています」
とあります。
生きるのが苦しくなっている人たちに、どうかこの本が届きますように。