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とびきりおいしいデザート

こんにちは。爽やかな季節ですね。新緑が美しくて、思わず空を見上げます。

今日ご紹介する本は、『とびきりおいしいデザート』(エミリー・ジェンキンス (文)・ソフィー・ブラッコール(絵)・横山和江(訳)、あすなろ書房、2016年、1,600円)です。メリーゴーランド京都ブッククラブで送っていただいた絵本です。

出版社の紹介文はこちら。
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フルーツに生クリーム、そして砂糖があれば、だれでも簡単にできるデザート、フルーツ・フール。その起源は古く16世紀、
ヨーロッパ最古のデザートといわれており、現在にいたるまで、世界のあちこちで作られ続けています。
本書は、4つの時代、4つの場所にスポットをあて、
それぞれのおいしいブラックベリー・フールの作り方を紹介していきます。
環境や技術、材料の入手方法、食事の様子や家族の在り方は変わっていっても、
ボウルをなめたくなる気持ちは、どの時代もいっしょ。
身近なデザートひとつから、いろいろなことが学べる楽しい絵本です。


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紹介文を読んで、なるほど…
フルーツ・フールは、世界最古のお菓子と言われているんですね。
絵本では、こんなふうに描かれていますよ!

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絵本では、300年のイギリス、200年前のアメリカ・サウスカロライナ州、
100年くらい前のアメリカ・マサチューセッツ州、
そして、アメリカ・カリフォルニア州という時代の異なる4つの場所で、
同じブラックベリーフールを作る親と子が描かれます。
たんたんとブラックベリーをつぶし、生クリームを泡立てて、混ぜたものをボールに入れて冷やす。
その工程をめぐる道具や設備のみならず、親子をめぐる状況は異なるものの、「わあ、おいしいね」とお菓子をつくる、あの甘い喜びは変わりません。
そして、味見やスプーンにくっついてしまった余りをなめる楽しみも変わりません。
「ああ、おいしい」と思わずつぶやいてしまうため息は、日々を生きるエッセンスのような気がします。
少なくとも、私にとっては。(食い意地がはっている)

変わらなさとともに、時が経つにつれて、ブラックベリーフールをつくる道具も、家電も、時代背景も、それにともなう家族状況も変わっていることが、丁寧に描かれます。
奴隷制度やジェンダー、家族をめぐる状況もきっちりと描かれています。
時代は、本当に先に進んでいるのだろうか、と思うことも多い日々ですが、
最後のページは多様性にあふれていて、確かに私たちは歩みを進めている面もあることを感じます。
声高に何かを訴えるのではない、でも、大切なことを丁寧に、伝えてくれます。
作り手の学びと繊細さ、丁寧さにもしみじみとする作品です。

さてさて、この絵本を読むと、ブラックベリーフールを作りたくなります。
ちゃんとレシピも載っています。
でも、ブラックベリーは身近ではないので、ブルーベリー(しかも生協で購入の冷凍品)で代用。
昨日の夜、作りたくてたまらない子どもと作りました。3時間冷蔵庫で寝かせないといけないので、食べるのは今朝。
子どもが家族3人分、取り分けてくれました。写真は、シリコンのへらをなめているところ。
「わぁ。おいしい。」
絵本と同じ定番の言葉を発しておりました。
素朴な味でした。シフォンケーキと一緒に食べたらよりおいしいかも!


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by chisanatobira | 2018-05-25 08:50 | 生きること

子どもと家族の小さな図書館「ちいさなとびら」をしています。絵本『子どもの権利と新型コロナ』の最新情報は、ツイッター @kodomonokenri_c、Facebookページ「子どもの権利と新型コロナ」をご参照ください。


by chisanatobira