大変ご無沙汰しております。ブログが更新されない間も来てくださっていた皆さま、ありがとうございます。途絶えながらも、細々と続けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて、季節はうつろい春が間近です。いつもながらこの時期は別れと出会いとがあり、心の置き場に困ります。今回ご紹介する本は、今のこの時期にぴったりの一冊。『はるは』(ジャニーナ・ドマンスカ さく 谷川俊太郎 やく童話館出版1976年、日本語版2018年、1,300円)です。

出版社からの紹介文はこちら。
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「はるは はるさめ」から始まり、「なつは ざっぶーん」と、
頁をめくるごとに季節は進み、また次の春を待つ…。
季節に合わせて移ろう景色や生き物たちが、繊細なタッチでいきいきと描かれ、
谷川俊太郎氏によって翻訳された響きのいい言葉が楽しい絵本。四季の美しさやふしぎさ
を、幼い人に向けて語りかけます。
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出版社の対象年齢には、「2~3さいから」とあります。
素晴らしい。2~3歳からこの世界を共有できるというわけです。
季節がうつろい変わりゆくさまが、美しい絵と言葉で表現されています。
どの季節にも、それぞれの美しさがあることを、しみじみと味わえる作品です。
私は、この絵本を童話館ブッククラブの通信で知りました。
改めて『はるは』について書かれた通信を読み返してみると、
作者のドマンスカはポーランド出身で、さまざまな国に侵攻されるという動乱のなかを生き、
その後、イタリアへ移住し、アメリカで作品をつくり続けた方であることが書かれていました。
そして、訳者の谷川俊太郎さんの思い、そして、原書の状態が悪いなかで童話館の方たちが苦労してつくられたことも分かりました。
作品のバッググラウンドを知るのは、楽しい作業です。
私の手元にくるまでの物語に想いを馳せてしまいます。
はるは はるさめ
はるは はなざかり
はるは うたう
もうすぐ、春がやってきますね。