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ムンメル なぜ子どもを生むのか

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こんにちは。
梟文庫は、性教育月間に入っています!
西尾さんセレクトの素敵な本たちが並んでいます。
私も読みたいものばかり。ぜひ足をお運びくださいませ。

詳しくはこちら↓
 
私のブックレビューも11月に入ったらテンポあげようと思っていたのに、
まったくもってあげられず…。申し訳ないです…。

気をとりなおして。

今日ご紹介する本は、『ムンメル ~なぜ子どもを生むのか~』(北沢杏子文 フランシス・ヴぇスティン著 ホルスト・テューロスコルピー写真、アーニ出版、1988年)です。
出版社による書誌情報は、こちら。

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●スウェーデンで愛読されている性教育書。
●「性を人間生活の大きな視野の中で、過不足なく冷静にとらえている」(詩人・谷川俊太郎氏)と高く評価されたロングセラーを全面改訂。
●100枚の美しい写真と洗練された文章で描く、若い二人の妊娠・出産・育児。大判になって、いっそう迫力を増した写真が強く胸を打つ感動のフォトドキュメンタリー。
この本は、新しい子どもが生まれてくるのを待っているとき、人々はなにを考え、なにを感じているのかを描いた本です。この本を子どもに語ってきかせるときは、本文をざっと読んでから、写真をみせて説明してあげて下さい。こうすれば、三歳の子どもにも理解できると思います。この本を自分で読めるぐらいの年齢の子どもなら、内容はわかりやすくかいてあるので理解できるでしょう。

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この本を、「性教育」というジャンルにくくってしまうのはもったいないような気がしています。

一冊の絵本として、写真集として、人間が生きるとはどのようなことか、いうことを描いている作品だと思います。
私は、この本を結婚する前に購入しているのですが、
今読み返すと、出産後間もない若いサンナが子育てに奮闘する様子や、つらくなってしまう気持ちも正直に描かれていて、ただ赤ちゃんのかわいらしさや命の尊さだけを訴えているわけではないところにもリアリティーを感じます。
1972年代にこのような本が発刊されるスウェーデンという国についても改めて思いをめぐらせてしまいます。

章立ては次のようになっています。

第1章 なぜ愛するか
第2章 なぜ待つのか
第3章 なぜ生むのか
第4章 なぜ育てるか

生きるということ、その営みがなされる生活という土台、
生活を形作る社会の存在、カップルという関係性、愛し愛されるということ
その営みのプロセスで生じる妊娠と出産…。

そして、そのときにカップルのあいだでの尊重と信頼があることが
伝わってきます。
そこがものすごく自然なのですが、読んでいるとじんわり染み込んでくるものがあります。

それは、ムンメルに対する姿勢と態度にも表れます。
ムンメルを一人のひととして、尊重し、受け止めていることが
単に「お世話をする対象」になっていないところがすごいなあ。

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いくつもの好きな写真はありますが、
冬空のなか病院を出て、ムンメル(赤ちゃん))とともに世界に歩み出すカップルの写真がとても好きです。ムンメルはかごに入っているのですが、不安な気持ちのなか歩み出す両親にエールをおくりたくなります。

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この本は、率直な本です。
生きること、愛すること、子どもを迎えること、そのことを率直に語ったのなら、
子どもがなぜ誕生するのかについても誠実に伝えるのは
ごく当たり前のことなのだと思います。

幼い子どもにも、そして中学生くらいの子どもたちにも、
そして、子育てまっさかりの親たちにも、それを終えた人たちにも
しんと染み込む何かがある…。
梟文庫にもありますので、ぜひ味わってください。

by chisanatobira | 2019-11-20 11:37 | 性教育

子どもと家族の小さな図書館「ちいさなとびら」をしています。絵本『子どもの権利と新型コロナ』の最新情報は、ツイッター @kodomonokenri_c、Facebookページ「子どもの権利と新型コロナ」をご参照ください。


by chisanatobira