こんにちは。
なんだか落ち着かない日々ですね。コロナ・ウィルス、早く終息しますように。なかなか記事が書けなかったのですが、久しぶりの更新です。
1月から2月にかけて、いろんな土地の児童福祉を専門とする方たちの前でお話する機会がありました。皆さん熱心に聞いてくださって、うれしかったです。研修のときには、「ちいさなとびら」の絵本を10冊くらい持参します。テーマに合わせますが、多くの場合、子どもの権利、家族の多様性、感情表現の3種類。子どもの生と育ちを支える3分野だと勝手に思っています。(「出張ちいさなとびら」でハッシュタグつけていきますね。まだ整理できていませんですけど。)今日ご紹介する絵本も、必ず持っていっていました。
そして、多くの方が手に取ってくださっていました。
どんな本かというと…『All about families かぞくってなあに?』(フェリシティ・ブルックス 文 ・石津ちひろ 訳、文化出版局、2019年、1,600円)です。

出版社からの紹介文はこちら。
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どんなもの? なんのためにあるの?
国籍も性別も構成もいろいろな現代の家族のかたち。
さまざまな視点から探り、楽しいイラストで説明します。
大切な家族について、一緒に考えてみましょう!
All about families というタイトルにふさわしい。
「家族たち」についてのすべてのことが書かれている、というわけです。
この、「たち」という複数形であることにも意味がありますね。
以前ご紹介した、この絵本とセットになるような絵本です。
章立ては、こんな感じ。
4-5 かぞくって なあに?
6-7 かぞくの かたち いろいろ
8-9 きみの かぞくは だあれ?
10-11 かぞくに ついて はなそう
12-13 かぞくは どんなふうに かわっていくのかな?
14-15 かけいず
16-17 かぞくが すむ ところ
18-19 かぞくの やくわり
20-21 かぞくの しゃべる ことば
22 かぞくの たべるもの
23 おいわい
24-25 かぞくで なにを する?
26-28 かぞくの きもち
29 かぞくに ついての ことば
30-31 さくいん
最初の「かぞくってなあに?」というページをみていてもワクワクします。
自分が「かぞく」って思っている枠組みが広がっていきますよね。

私が好きなのは、このページ。
「かぞくは どんなふうに かわっていくのかな?」
かぞくって、固定のものだと思いがちですよね。
そして、ずっと変わらないことが良いとも思いがちな気もします。
この絵本は、家族がどんなときに変わっていくのかを具体的に伝えています。
家族の誕生といううれしい出来事も、
家族が亡くなるという悲しい出来事も、
並列に描かれています。
並列、というところがいいなあと思います。
どちらも等しく伝えていこうという誠実さがあるように思うからです。
生も、死も、出会いも別れも、
生きることの一部。
そして、家族は、そういう生きるうえで避けられないことを
ともに過ごしていく共同体であるからこそ、
形は変わっていくのです。
家族の辞書のようなこの絵本。
じっくりじっくり、1ページ、1ページを大切に読みたくなります。