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窓をひろげて考えよう 情報の渦に巻き込まれないために

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こんにちは。
変わらず新型コロナ感染の自粛モードが続きますが、お元気ですか?
コロナそのものだけじゃなく、政府の対応に怒りがわいたり、
SNSをはじめさまざまに発信される情報にも感情が揺さぶられ、
それともどう付き合っていったらよいのかもバランスが難しい日々です。
そんなときにぴったりの本をご紹介できたらと思います。

それは、下村 健一・艸場よしみ(企画/構成)『窓をひろげて考えよう~体験メディアリテラシー』(かもがわ出版、2017年、2,800円)です。

出版社からの情報はこちら。

私は、この本を大学の授業でもよく活用しています。
社会福祉を学ぶ学生たちの授業を担当しているので、情報をさまざまな立場から眺め、批判的に見ていく力をもつことを大切にしてほしいと思っているので、そのとっかかりにはとても良い学びの本です。

この本では、メディアに発信されている情報をそのまま受け取ってしまうのではなく、
立ち止まって考えていくことを具体的に伝えています。

例えば、このグラフは、地球温暖化問題が解決されたのでは?
と根拠として出されたグラフを問題にします。
このグラフをみると、地球の気温は下がっていっています。
なので、地球温暖化は解決した?という見出しにつながっている。
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写真がうまく撮れなかったのですが、
このグラフの四角部分が仕掛け絵本のように穴になっていて、
次のページに続いていきます。

そして、次のページは、このグラフには前後があって、
それを見ていくと、地球の気温はあがったり、さがったりしながら
全体的には上昇していることが分かります。
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メディアというのは、ある部分しか切り取ることができないということを限界を伝えています。

私は、虐待の相談件数の増加について講義する際の導入としてよく活用しています。
今では公式な統計がとられている虐待の相談件数ですが、
以前は公式な統計すらなかったのですから。
それはいったい何を意味するのかといったことを含めて考える機会にしています。

この例だけでなく、本のなかでは、8つの場面を取り上げて、
「まだわからないよね?」
「他の見え方もないかな?」
「隠れてるものはないかな?」
とポイントをあげていきます。
そして、メディアが切り取る「窓のせまさ」について伝えていきます。
(先ほどの地球温暖化の事例は、「窓のせまさ」の事例ですね)

そして、立場・順番・情報源・瞬間のかたよりについて
読者に考えさせる工夫とともに解説していきます。

最後に著者の下村さんのメッセージを届けたいと思います。
この本で伝えられている「情報の見方のコツ」は、『BSアカデミア』という放送局でできあがっていたもので、番組の企画も出演もすべて大学生で行う初のラジオ局だったそうです。

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学生記者でなくだれにとっても、情報をしっかりと自分の頭で受け止められる
ようになることは本当に大切だ。なぜなら、ボクたちの社会は「民主主義」というルールを使っているから。
1人のリーダーにおまかせして物事を決めてもらうのではなく、みんなで話し合って納得して、
多数決で決めていくという方法だ。
ただし、それには「1人ひとりがちゃんと情報を理解して自分の意見を決められること」が必要になる。
だれかに悪者のレッテルを貼ったり、わがままな主張をもっともらしく発信するような
リーダーが現れて、みんなが「そうだ、そうだ!」と乗せられてしまったら、
世の中は多数決でとんでもない方向に押し流されてしまうかもしれないから。
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今のコロナに関する情報も、私たちが手にしている情報は、
くりぬかれた狭い窓かもしれない。
狭い窓であることを認識しつつ、それでも、信頼できる情報リソースにアクセスしながら
一個ずつ判断していく日々です。
普段の日常をまわしながら、しかもその日常もいろいろな変化を強いられているわけですから
そのなかで情報と付き合っていくのはなかなか大変なことだなあとあらためて思うわけです。

さて、この間よかった情報リソースを共有します。

コロナパンデミックの原因は「動物の軽視」+霊長類学者グドール氏。
いろんな角度から今回の事象について思いを馳せる必要があるなあって思います。

体罰禁止を30年前に決断したっていうことの重みを思います。

子どもたちとコロナについて語り合うために
やはり、基本に立ち返る。
大事な点を指摘しているなあとあらためて思う。
国連・子どもの権利委員会:新型コロナ感染症(COVID-19)に関する声明




by chisanatobira | 2020-04-15 14:41 | 生きること

子どもと家族の小さな図書館「ちいさなとびら」をしています


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