
東日本大震災から10年目の3月11日。
今年2回目の読み聞かせボランティアでした。
コロナでなかなか実施できなかったのです。
1冊は楽しんでほしくて『まゆとおに』
(作: 富安 陽子、絵: 降矢 なな、出版社: 福音館書店、2004年)を読みました。
まゆが生き生きと活躍する大好きなおはなし。
何度読んでも楽しいし、子どもたちがぐーっとその世界に入っていくことがわかります。
もう1冊は『根っこのこどもたち目をさます』
(作: ヘレン・ディーン・フィッシュ、絵: ジビレ・フォン・オルファース
訳: 石井 桃子、出版社: 童話館出版、2003年)
と『アネモネ戦争』(作:上村 亮太 出版社:BL出版 発行日:2020年)悩みました。
震災とは直接関係ないけれど、少しだけつながっているような、
たぶんそのつながりはだれも分からないかもしれないけれど、
この日に子どもたちの前に立つ機会があるのだから
悼む気持ちで読みたかったのです。
小3の子どもに悩んでいることを話したら、
「子どもたちに選んでもらったら」と。
「そうか」と思い、子どもたちに尋ねました。選ばれたのは『アネモネ戦争』。
子どもたちは「アネモネ?」「戦争?」って
???って思ってたみたいですが
「たしかに戦争のお話しだった」って感想を言ってくれました。
出版社の絵本の紹介はこちら
『アネモネ戦争』は、強く「平和」を願う絵本です。
戦争というものがどんなふうにどこからやってくるのか…。
おだやかな日常や平和というものを、どうすれば守り、育てられるのか…。
アネモネという花を通して、物語は、静かに深く、それを語りかけます。
この絵本は、不思議な魅力のある本で、
私は手に取ったときに何度も何度も繰り返し読みました。
読むだけで何か満たされる、そんな絵本です。
言葉で表現すると、何かがこぼれ落ちてしまうような気もします。
そして、私の研究テーマでもある「声」をテーマにした本でもあります。
「声」が引き出され、応答される。その営みが何につながっているのか、
そんなことも考えさせられます。
出版の経緯も興味深いです。
この「声」を届ける人の絵をみると、いつもぐっときます。
東日本大震災のとき、私は博士論文を書いていて、
その翌年に子どもが生まれます。
自分が生きるのに精いっぱいで、
何もできないでいる自分をいつも抱えていました。
今回、コロナ禍で生きることになり、
今回は動けるから、私は、
自分なりにできることをしようと思いました。
まだまだ終わらないけれど、
考え続けながら行動していきたいです。